それでは、人材採用活動の進め方をBABOKにを元に考えていきたいと思う。
まず、”①ビジネスアナリシスの計画と監視”は、全体アクティビティの計画が主な活動となっている。ここで重要なのがステークホルダー(利害関係者)の分析である。
今回の採用業務で、想定されるステークホルダー(利害関係者)を列挙してもらいたい。
ここで検討するステークホルダーは、直接の利害関係者だけで無く、間接的な利害関係者に
なる可能性のある人物、部署を漏れなくあげることが重要である。その後の検討の過程で、利害関係者では無いと判明すれば、削除すればよい。
さて、真っ先にあげられるのは、当業務を指示した”社長”であろう。また、その指示を受けた上司でもある人事部長も当然あげられる。また、この人事部でこの採用活動をサポートしてもらう関係者も重要だ。
他にはどうだろうか?採用後、実際に採用した新入社員が配属になる(その担当者の力量により業務遂行が左右される)部署の部長などもステークホルダーだろうか?今回、社長から良い人材をとるようにという指示を考えてもらいたい。この良い人材とは、どのような人材だろうか?もう少し具体的にする必要があるが、実際に良い人材が採用できたかを判断するのは誰だろうか?社長が最終面接に立ち会う場合もあるだろうが、最終的に業務で成果を発揮し、良い人材が採用できたと判断するのは、各部署の部長/課長などである。社長は、それらの部長などからの報告で最終的な判断することが多い。従って、この各部署の部長もはずしてはいけない。また、各部署で求める人材/スキルは異なる。このスキルなどは、次回にお話する”②引き出し”で、正確にヒアリングしたい。
他には、採用活動の予算を決める経理部なども、ステークホルダーとして検討しておいたほうが良いだろう。また、微妙ではあるが、今までに採用を活動を依頼していた業者、協力関係にあった学校関係者も、とりあえずは入れておくべきだろう。
これくらいでステークホルダー(利害関係者)は十分だろうか?
採用活動だけではないが、実際に引き継いだ業務で、うまく進まなくなる状況に陥ることがある。それは、前任者を全く無視したやり方をすると、思わぬところから反発があり、暗礁に乗り上げることがある。今回のAさんは、庶務課からの転属である。以前にこの採用活動を実施していた担当者は、今どうしているのだろうか?この以前の担当者が、どの部署にいるかによっても変わってくるし、先程お話した、今までに採用を活動を依頼していた業者、協力関係にあった学校関係者が、前任者からの引継ぎが無いと交渉もできないということになることも多い。
以上が、”①ビジネスアナリシスの計画と監視”、特にステークホルダー分析で重要なポイントである。